ぁぃぁぃ転校に伴う今後のエビ中に関して思うこと

 すっかり秋らしくなってきたここ数日だが、先月も記録的な長雨と日照不足が続き、なかなか夏らしい暑さを感じない日々であった。先月開催された毎年恒例のエビ中の夏の野外イベント『ファミえん』も天気が心配されたが、晴れてはいるものの暑すぎない、野外ライブには最適な環境の中での開催となった。

 

 『ファミえん』は私の中でも特別なイベントであった。暗い学生自体を過ごしていた私にとって、3年前の山中湖で開催された『ファミえん』は一緒にいった友人のおかげもあって、修学旅行より楽しい旅行だったし、随分と遅くにやってきた青春のかけらのようなものだと思っている。夏の野外、エビ中ののんびりした雰囲気と、エモーショナルな楽曲に浸る特別なライブ。そんなイメージの『ファミえん』だったが、今年は少し印象の違うものだった。

 曲数が増えたことでセトリはいろいろな魅せ方ができるようになり、歌もパフォーマンスもクオリティの上がったライブは非常に楽しかった。成長したメンバーそれぞれ近くで見ることができ(柏木さんは耳の調子が悪くメインステージのみでのパフォーマンスだったが…)、恒例の水の演出も夏らしく楽しかった。

 ただ、どこかゆったりとした時の流れを感じない、余白のないライブでもあった。年末のライブ開催の発表もなく、MCも曲ふりのための決められたものに終始し、エビ中らしい空気感のトークは見えなかった。開催直前に発売された「クイックジャパン」のインタビュー記事の中で廣田さんは、パフォーマンスにで対する指導が厳しくなり、今までのライブ自体を楽しむ気持ちが持ちづらくなっていると言及していた。それも一つの要因かと思うが、それだけではないと思っている。

 ライブ中のMCに関して言えば、2月に松野さんが亡くなり、ブログや雑誌のインタビューでメンバーの気持ちが語られているものの、直接ファンに語りかけるのは難しいと思うし、なんとなく別の話だけをするのも違うような気もする。今回のアルバム、そしてツアーは彼女の死がひとつ大きなテーマとなっていたし、その後の『ファミえん』でそれを感じないかというと決してそんなことはない。ツアーとは違い、『ファミえん』は昔の曲も多くセットリストに含まれており、彼女の分の歌割りを他のメンバーが担当し、その変化はどうしても気にはなってしまう。楽しいライブではあるのだが、どこかそれだけでは表現できないものを感じてしまうのが、今のエビ中である。

 

 そして8月最後の31日に廣田さんはエビ中からの転校(卒業)を発表した。ネット上では卒業の予感を持っていたファンは多くいたが、正直私は想定をしていなかった。改めて最近のインタビュー記事などを読むとなるほど確かに卒業を考えているように聞こえる。彼女の発表は驚きだったし、寂しくないといったら嘘になるが、すんなり受け入れられた部分もあった。いろいろなことに挑戦したいという彼女自身のためにもいい決断だったと思っているが、それ以外にも頭を過るものがあった。

 

 私自身は、松野さんのことを未だに受け止め切れていない部分が多々ある。それもあって、彼女の死がメンバーにとってエビ中を辞めづらいものになってしまわないだろうかといった一抹の不安もあった。彼女を存在し続けさせるために、エビ中というグループを残さざるを得ない。形を残しておかなければならない。そんな気持ちを持って欲しくはなかった。だから廣田さんの決断は他のメンバーにとってもいいことだったかもしれない。そこまで見越して決断したかは推測の域を出ないが、それでもそう思わせるぐらい頭のいい人であった。最後に直接感謝を伝えに行こうと思う。

 今後のエビ中に関しては未定とのことだったが、藤井さんは新メンバーを入れることを考えているのではないかと思う。急に7人になったことで、今のエビ中は松野さんの不在をどうしても意識せざるを得ない。メンバーを亡くした私立恵比寿中学。しかし、エビ中の入り口、グループの中で印象が一番強い廣田さんが卒業し、6人になり、そこで新しいメンバーが加入すれば、新しいエビ中を始めることができる。

 

 メンバーを失った可愛そうなグループとして終わらせてあげたくない。今まで見ていない新しい景色を彼女たちにみせてあげたい。1月のライブまでのアイドル廣田あいかをしっかり目に焼き付けると同時に、来年からのエビ中というグループがどのような道を進んでいくのか、楽しみにしたい。